もし手元に100万円があったら、あなたはまず何を考えるでしょうか。「どこに入れれば増えるか」でしょうか。それとも「このお金を、いつ使うことになりそうか」でしょうか。

100万円を運用するなら何がいいのか。私たちも夫婦で紙に書き出して、つみたての目線で配分を並べてみたことがあります。その試算と、途中でつまずいた点を順にお話しします。

100万円を、私たちはどう分けてみた?

ここからの数字は、考え方を見ていただくために置いた仮の例です。最初に100万円を「数年以内に使うかもしれないお金」と「10年以上使う予定のないお金」に分けました。前者を300,000円とすると、長く置く部分は700,000円になります。

次に、その部分を一度に入れるのではなく、12か月に分けて積み立てる形を考えました。月額にすると約58,333円です。金融庁のNISA特設ウェブサイトでは、つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円、非課税保有限度額は生涯1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)とされています。12か月分の合計は700,000円なので、つみたて投資枠の年間の上限に収まります。

配分の目安にしたのは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が示す、国内債券・国内株式・外国債券・外国株式に25%ずつ分ける例です。長く置く部分に当てはめると、1資産あたり175,000円になります。

私たちの試算:100万円の分け方
区分 金額 置き方
数年以内に使うかもしれないお金 300,000円 預金のまま
10年以上使う予定のないお金 700,000円 12か月に分けて積立(月約58,333円)
うち1資産あたり(4資産均等の場合) 175,000円 国内外の株式・債券に25%ずつ

どこで手が止まりそうになった?

紙の上ではすっきり見えても、話し合ううちにいくつか引っかかりが出てきました。

一つめは、「全部を一度に入れたほうが早いのでは」という迷いです。金融庁の資産形成の基本のページでは、積立投資はあらかじめ決めた金額を続けて投資する方法で、購入価格の平準化につながると説明されています。それでも一括か積立かは、使う時期や気持ちの持ちようでも変わり、私たちの間ですぐには決まりませんでした。この迷いはまとまった資金を一括投資するか毎月積立するかを考える記事でも整理しています。

二つめは、値下がりしたときの自分たちです。2020年3月、私たちは積立を止めかけて、夫婦で言い合いになりました。配分を決めることより、下がった月にその配分のまま続けられるかのほうが、ずっと難しかったのです。

三つめは、使う時期が近いお金の線引きです。家の修繕や子どもの進学が近ければ、この線では足りないかもしれません。ここが曖昧なままだと、下がった時期に取り崩す心配が残ります。

配分の数字より先に、何を決めておく?

試算を終えて、私たちが整理したのは次の順番です。

  1. 100万円のうち、使う時期が近いお金を先に書き出す
  2. 残りを10年以上置けるかどうか、夫婦で確かめる
  3. 置ける部分だけを、値動きの異なる資産に分ける
  4. 一度に入れるか、月々に分けるかを決める

金融庁は分散投資を、国内外の株式・債券など値動きの異なる資産に分けて価格変動を抑え、安定的な運用を目指す手法と説明しています。GPIFは、4資産均等配分が各年で1位になったことはない一方、最下位になったこともないと示しています。さらにGPIFの長期分散投資のページでは、同じ配分で保有期間1年では元本割れした年があり、10年では元本割れした年がなかったとされています。過去のデータで、これからを約束するものではありません。それでも、長く置ける部分を先に決める理由として、私たちには納得のいくものでした。

比率そのものは、家庭ごとに違っていてよいと私たちは考えています。

試算の紙を片づけながら、妻がぽつりと言いました。「何に入れるかより、下がった月にこの紙を見返せるかどうかだね」。