20年後、30年後のあなたの暮らしを支えるお金は、どこで、どのように育っていくのでしょうか。その問いを考えるときに、多くの方が最初に出会う制度が「新NISA」です。

この記事で私たちは、新NISAの二つの枠と、非課税保有限度額(総枠)の基本を整理します。そのうえで、月々の積立額ごとに「枠はどのくらいで埋まるのか」を計算していきます。制度の数字は、金融庁と国税庁の公開情報(2026年9月11日確認)にもとづいています。

新NISAは、未来のお金をどう支えてくれる?

NISAは、NISA口座で保有する上場株式等の配当や譲渡益が非課税になる制度です(国税庁「No.1535 NISA制度」)。新しいNISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という二つの枠があり、両方を併用できます(金融庁「NISA特設ウェブサイト」)。

非課税で保有できる期間は無期限とされています(金融庁)。期限を気にして途中で売る必要がないため、長い時間をかけて保有を続ける計画と相性のよい仕組みです。

利用できるのは、口座を開設する年の1月1日時点で18歳以上の、日本国内に住んでいる方です(金融庁国税庁)。

今、確かめておきたい金額はいくら?

新NISAの数字は、「1年間に投資できる上限」と「非課税のまま保有できる取得額の総枠」の二つに分けて考えると整理しやすくなります。

新NISAの主な上限額(金融庁・国税庁の公開情報より)
項目 金額
つみたて投資枠の年間投資上限額 120万円
成長投資枠の年間投資上限額 240万円
年間投資上限額の合計 360万円
非課税保有限度額(総枠) 1,800万円
うち成長投資枠のみで使える上限 1,200万円

出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト」国税庁「No.1535 NISA制度」

年間投資上限額は「1年あたり」に投資できる金額で、非課税保有限度額は、生涯を通じて非課税のまま保有できる上限額として1,800万円と定められています。月々の積立額を考えるときは、月額を12倍して年額に直してから、この表と見比べると迷いにくくなります。たとえば、つみたて投資枠の年間120万円を月額にならすと、10万円です。

また、総枠1,800万円のうち、成長投資枠だけで使えるのは1,200万円までです。成長投資枠を中心に考えている場合も、この上限を意識しておきましょう。

あなたの積立額なら、枠は何年で埋まる?

ここからは、月々の積立額ごとに、あなたが投じる元本の合計を計算してみます。以下はすべて仮の条件による試算で、運用による値上がり・値下がりは含めていません。実際に手元に残る金額は、市場の動きによって増えることも減ることもあります。また、この試算は、口座を開いてから一度も売却せず、毎年同じ金額を投資し続けた場合を前提としています。売却して生まれた枠を翌年以降に再び使えるかどうかは、この記事の執筆時点で確認できた公的情報の範囲では判断できないため、ここでは扱いません。

積み立てで枠が少しずつ埋まるイメージ

月3万円を20年続けると

月額3万円は、年額にすると36万円です。20年続けた場合の元本の合計は720万円になります。途中で売却せず、このペースを続けたと仮定すると、総枠の1,800万円に届くまでには計算上50年かかります。この水準であれば、上限よりも「無理なく続けられる金額かどうか」を先に考えるほうが大切です。

月5万円を25年続けると

月額5万円を25年続けると、元本の合計は1,500万円です。総枠の1,800万円までには、まだ300万円の余地が残ります。

年間の上限いっぱいまで使うと

つみたて投資枠と成長投資枠の両方を、途中で売却せず、毎年上限の合計360万円まで使い続けた場合、総枠の1,800万円には計算上5年で達します。成長投資枠だけを毎年240万円使った場合は、成長投資枠のみの上限1,200万円に5年で届きます。

今回の月3万円・月5万円の例では、総枠の1,800万円に届くまでに長い年数がかかることが分かります。月々の金額によって、その年数は大きく変わります。

これから、何を決めていけばいい?

制度の数字を確認したら、次はあなた自身の条件に当てはめていきましょう。

  1. 老後や将来のために、毎月無理なく回せる金額(月額)を書き出す。
  2. その月額を12倍して年額に直し、年間投資上限額と見比べる。
  3. 積み立てる年数を決め、「月額 × 12 × 年数」で元本の合計を計算し、総枠1,800万円との差を確かめる。
  4. 数年以内に使う予定のお金は、長く積み立てるお金とは分けて考える。
  5. 口座を開く前に、金融庁のNISA特設ウェブサイトで最新の制度内容を確認する。

売却したときの枠の扱いなど、この記事では触れていない細かなルールもあります。気になる点は、金融庁や国税庁の案内、または口座を開く金融機関で確かめてください。

数字が分かれば、漠然とした不安は「確かめられる計画」に変わっていきます。焦らず、一つずつ積み上げていきましょう。

今日からできる小さな一歩

今日できることは、小さなことで十分です。まずは、毎月いくらなら続けられそうか、あなたの家計から数字を一つだけ書き出してみてください。その月額を12倍すれば、新NISAの年間投資上限額や総枠1,800万円と、どう向き合えばよいかが見えてきます。

未来のあなたに届くものは、今日の小さな準備から形になっていきます。私たちと一緒に、一つずつ積み上げていきましょう。