40代になって、老後資金のことが気になり始めたとき、あなたは何から考え始めるでしょうか。毎月いくら積み立てるかでしょうか。それとも、あと何年積み立てられるかでしょうか。
私たちは40代の夫婦で、つみたてNISAを制度が始まった2018年から続け、iDeCoにも夫婦で加入しています。毎年1月には、老後資金の目標額を見直しています。この記事では、その見直しで並べた試算と、途中でつまずいた点を順に書いていきます。
足りない分を、あと何年で割ればいい?
出発点にしたのは、いまの高齢夫婦の家計の数字です。生命保険文化センターのページでは、総務省「家計調査」の2025年平均が紹介されています。65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、可処分所得が月約22.2万円、消費支出が月約26.4万円です。差し引くと、月約4.2万円が不足しています。
月4.2万円の不足は、年額にすると約504,000円です。厚生労働省が2025年7月時点で公表していた簡易生命表(令和6年版)では、平均寿命は男性81.09年、女性87.13年とされています(社会保険労務士PSRネットワークの記事で紹介)。平均はあくまで平均なので、私たちは少し長めに、65歳から90歳までの25年分を見込むことにしました。こうして仮に置いた不足額は、約12,600,000円です。以降の数字は、この仮の置き方にもとづく例です。
| 積み立てる期間 | 必要な毎月額 |
|---|---|
| 20年(45〜65歳) | 約52,500円 |
| 15年(45〜60歳) | 約70,000円 |
私たちは、どこでつまずいた?
一つめのつまずきは、この割り算の結果を前にして、毎月額をどう増やすかばかり話していたことです。表を見比べると、期間が5年短くなるだけで、毎月額は約17,500円増えています。私たちはそこで初めて、額と同じくらい「続けられる年数」が効いていることに気づきました。
二つめは、2020年3月の出来事です。私たちは積立を止めかけて、夫婦で言い合いになりました。いま振り返ると、あの夜にぶつかっていたのは金額の話ではありませんでした。時間をどう扱うかの話だったのだと思います。
時間を味方にするには、何を確かめておく?
財務省中国財務局のページでは、複利を次のような仕組みとして説明しています。受け取った利息を元本に組み入れ、その合計に対して次の利息を計算します。その効果は、金利が高いほど、運用期間が長いほど大きくなるとされています。上の表には運用益を含めていないので、運用の結果によって、実際に必要な毎月額は変わります。ただ、利回りは約束されるものではありません。そこで私たちは、利回りに期待するより先に、期間を削らないことを考えるようにしました。利回りごとの育ち方は、毎月1万円を年率3%・5%で20年、30年続けた複利シミュレーションで並べています。
積み立てられる期間は、働き方によっても変わります。iDeCo公式サイトでは、iDeCoの加入年齢の要件が区分されています。会社員・公務員は原則65歳未満まで、自営業者や専業主婦などは原則60歳未満までです。また、企業年金に加入している会社員などは、2024年12月から拠出限度額が月1.2万円から2万円に引き上げられています。夫婦でも、積み立てられる年数や上限額が違うことがあります。そこで私たちは、二人それぞれの期限を紙に書き出してみました。
表を片づける前に、食卓で交わした一言で、今年の見直しは終わりました。「増やす額の話は、止めない年数を決めてからにしようか」。